大晦日を代表する風物詩と言えば、「除夜の鐘」を挙げる人も多いと思います。
年越し蕎麦をすすりながら、夜陰に響く鐘の音を数える……そんな心静かなひとときは、一年間の労を癒やし、来る年への活力を養ってくれるものです。
しかし近年では、この除夜の鐘を「うるさい」と思う方もいるようで、苦情によって除夜の鐘をとりやめる寺院も出てきているそうです。
子供の頃からお寺の鐘で「あぁ、もうお昼か」などと感じていた一人としては、逆に鐘の音が聞こえないと寂しいくらいですが、音の感じ方は人それぞれ。不快に思う方がいるなら仕方なしとの意見も一理はあります。
とは言っても、古くから日本人の情緒を培ってきた鐘の音が、年の瀬に聴けなくなるのはやっぱり寂し過ぎる……という訳で、中には時間を前倒しして夕方に鐘を撞く「除夕(じょせき)の鐘」に移行した寺院もあるようです。