毎年夏から秋にかけて日本列島を襲う台風は、恐ろしい被害をもたらす一方で、日本の四季や豊かな実りを与えてくれる面もあります。
ところで子供の頃から素朴な疑問だったのですが、台風って、どうしてこの漢字を当てるのでしょうか。
強い風を表す「大風(おおかぜ)」という言葉があるのだから、そのまま音読みにすれば「たいふう」になるのに、何故?……という訳で、今回は台風の語源について紹介します。
台風は「台湾の方から吹く強い風」?
台風の語源について諸説ある中で、最もシンプルなのが「台湾の方から吹く強い風」だからというもの。
台湾や大陸の福建地方で使われていた「颱風(タイフーン。or大風)」という名称を、明治時代末期に中央気象台長の岡田武松(おかだ たけまつ)が採用。
その後、当用漢字が定められた昭和二十一1946年以降、颱の字が台に変更(代用)されて現在の「台風」になったという説です。
ちなみに「台風」の名前が使われるより昔、江戸時代以前では「野分(のわきorのわけ)」と呼ばれており、これは強い風が野原の草を豪快に掻き分けるように見える様子に由来するものです。