教科書に載ってた肖像画は誰だったの?ようやく決着した足利尊氏の肖像画論争

湯本泰隆

以前「源頼朝の肖像」について紹介しました。

歴史の通説で「源頼朝の肖像」と言われていたあの肖像の主は本当は誰なのか?

日本史の教科書に掲載されていた歴史上の人物の肖像画。一度覚えてしまったら社会人になってもその人物のイメージとして定着してしまうものでしょう。また、教科書の記述は忘れたけれど、肖像画だけは覚えているとい…

ここで紹介した「源頼朝像」とともに、かつて日本史の教科書におなじみ肖像画が掲載されていたのが、京都国立博物館所蔵の「足利尊氏像(騎馬武者像)」。

ざんばら髪の尊氏が馬にまたがる、勇ましい姿を描いたこの肖像画は、江戸時代後期の博物図録集『集古十種』に描かれたもので、現在も重要文化財となっている有名な肖像画です。たくさんの方の記憶に残されていることと思われます。

ところが、この肖像画についても源頼朝像の場合と同様に、足利尊氏ではない別の人物を描いたのではないかという疑惑の声が存在しています。

4ページ目 疑惑の根拠は複数あり

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