「やにわに攻めかかる」「やにわに起き上がる」など、「唐突に、即座に、すぐに」という意味を持つこの言葉。「やにわに」とは一体なんなのでしょうか?
「やにわに」は、漢字で書くと「矢庭に」となります。
名詞「矢庭(やには)」と助詞の「に」からなる「やにはに」が、ハ行音変化で「やにわに」となった言葉です。 「矢庭」とは、矢を射る場所、あるいは矢が飛んでくる射程距離を指します。
「やにわに」という言葉の由来については、矢庭=戦場では何事も素早い行動が求められることから、「即座に、すぐに」という意味が生じたとも、また「矢庭」にいれば、「唐」に矢が飛んでくることから生じたともいわれています。
いずれも、ぼーっとしてると命を落としかねない、そんなひっ迫した状況の中でうまれた言葉ですね。
「やにわに」に似た言葉として「やおら」という言葉がありますが、「やおら」は、本来、ゆっくりと動作を起こすことで、「ゆっくりと」「おもむろに」という意味で使うのが正しい使い方になります。