「武者修行」というと、強い武士が自分の力を伸ばすためにさらに強い対戦相手を求めてひたすら旅をしている風景、あるいは同情やぶりをしている様子が思い浮かぶと思います。
はじめて武者修行を行った「山内源兵衛」
日本においてはじめて武者修行を行ったとされている人物は、中国地方出身の武士で、「山内源兵衛」という名前の人物だったとされています。彼は、1542年(室町時代の末期)、自分の腕を磨くために修行旅に出たと伝えられています。彼が武者修行を始めた頃から、全国的に武者修行が増えていきました。
初期の武者修行には、スケールの大きいものもありました。例えば、後世、剣聖として崇められた塚原卜伝。彼は、自分は馬に乗り、門弟に鷹狩りの鷹を持たせ、60人あまりを引き連れて諸国を武者修行したと伝えられています。
が、その実は浪人の身。彼が武者修行に出たのは、仕官先を探すためだったと伝えられています。