「嫁が妊娠中に旦那が浮気をしていた!」なんて話は現代でもよく耳にすることですが、江戸時代でもわりと行われていたようで…。
江戸時代、浮世絵師として有名だった鈴木晴信(すずきはるのぶ)の代表的な春画の組物である「風流艶色真似ゑもん」には、ちゃんとそのことが描かれています。
小っさなおっさんが情事を覗くw 春画もスゴかった錦絵の先駆者・鈴木春信
錦絵(浮世絵)の絵師といえば、やはり鈴木春信です。明和2年~明和7年(1764~70)の6年間は、3日半に1枚描き上げるという、かなりのハイペースだったそう。鈴木春信は錦絵(多色摺り)を大成させた人物…
組物とは、複数の浮世絵を一セットとしてまとめたもので、同組物には全部で二十四の図が描かれているのですが、そのうちの第四図に、妊娠中の旦那の浮気現場が描かれています。
これは、嫁が右手に燭台を持ち、左手で旦那の褌をつかんで浮気をした旦那と浮気相手の娘の仲を引き離そうとしているものなのですが、嫁が尚も強引に引きずり戻そうとしながら、
「あの子もあの子だ。明日は次郎様へ話くりよ。此の事が次郎様へ知れたら、なんと訳がたつものだ。エ、ここな性悪男め。ぬす人のひまはあれど、守り人のひまがない。腹のたつ」
と、悪態をつきます。
このセリフから考えると、浮気相手は、知り合いの次郎様の娘だと推測できます。どうやら嫁が妊娠したので、家事の手伝いに来たところ、妊婦の旦那と浮気してしまった。どうやら、そんなオチのようです。