一杯のカップになみなみと注がれたコーヒー。黒く輝くその不思議な飲料は、わたしたちの眠気を覚まし、元気にしてくれます。現在、私たちはそんな美味しいコーヒーを、インスタントや缶で、気軽に楽しめることができます。
このインスタントコーヒーや缶コーヒー、「実は日本人によって初めてつくられたもの」なんて知ったら、読者の皆さんは驚かれますか?
今回は、このインスタントコーヒーと缶コーヒーの発明者、それから世界で初めてのインスタントコーヒーと缶コーヒーがその後どうなったかということをまとめてみたいと思います。
インスタントコーヒーの開発に成功した加藤サトリ博士だが…
1899年、化学者だった加藤サトリ博士は、緑茶粉末化の研究から、コーヒー抽出液を真空乾燥して粉末にすることに成功しました。1901年にはニューヨーク州で開催されたパンアメリカン博覧会にて「ソリュブル・コーヒー」として発表し、インスタントコーヒーが世に広まるきっかけとなりました。
ところが大量生産することができず、特許も申請していなかった矢先に、別の手法で作られたインスタントコーヒーが1906年にアメリカで特許を取得し、大量生産にも成功してしまいました。