2016年11月に東京都墨田区にオープンした「すみだ北斎美術館」。オープン以来、葛飾北斎にちなんだ展覧会などを行い、墨田区の顔とも言えるスポットになりつつありますが、そんなすみだ北斎美術館で現在「北斎の橋 すみだの橋」という展覧会が開催されています。
本展でスポットを当てているのが、北斎とその一門が描いた「橋」という、北斎作品をメインした展覧会としてはとてもユニークな趣向の展覧会なんです。
古来より橋は、人々が交通のために川や谷といった自然を克服する一手段として架設されてきました。北斎が生きた江戸時代といえば、やはり日本橋ですね。この展覧会では、北斎が描く橋を通して、インフラという本来の意義を越えた、橋の文化的側面が紹介されます。
北斎ならではの視点で捉えた代表作「諸国名橋奇覧」の風景画シリーズ全11点を前後期で分けて展示する他、北斎が夢の中で見た橋を1図にした「百橋一覧」、名作「冨嶽三十六景」シリーズからも「御厩河岸より両国橋夕陽見」などが展示されます。
また、北斎の作品に加えて、北斎が一生をすごしたすみだという地域にも焦点を当てた展覧会となっており、展覧会の2章では「すみだの橋」と題し、すみだの橋に焦点をあて、北斎が生きた時代の橋以降の変遷を、錦絵に描かれた橋だけでなく、絵葉書や、図面、立体物など様々な関連資料を展示することで多角的に紹介されます。
11月4日(日)までの会期中にはさまざまな関連イベントも開催されますので、興味のある方はぜひそちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
展覧会「北斎の橋 すみだの橋」は、2018年9月11日(火)~11月4日(日)の期間、東京都墨田区・すみだ北斎美術館で開催されます。