江戸時代初期の剣術家・宮本武蔵。誰もが知る剣豪ですよね。小説だけでなく、映画、大河ドラマ、スペシャルドラマなど何度も映像化され、ファンも多い偉人のひとりです。
お通は作家・吉田栄治の創作だった!
この宮本武蔵の人生で切っても切り離せないのが、ライバルの佐々木小次郎、恋人のお通ではないでしょうか。他にも幼馴染の又八とその母お杉、そして沢庵など「宮本武蔵」の物語には濃い人物がたくさん登場しますが、映画やドラマでもお通はヒロインとして目立つポジションにいますよね。
ところがこのお通、実在しない人物だったと言われているんです!
宮本武蔵を描いた小説としてもっとも古いのが吉田栄治の「宮本武蔵」ですが、この小説こそ後の「宮本武蔵」像に多大な影響を与えた存在。
お通は吉田栄治の創作だったのです。
お通という女性
武蔵の恋人として私たちにはなじみ深い存在のお通。剣の道に生きる武蔵を愛し、そして武蔵にも愛された女性です。よくドラマで描かれるのは武蔵を追って旅をするお通の姿。
この二人は最後まで「結ばれた」とは言い難い関係なのですが、愛する武蔵を追いかけるお通はけなげで、この二人の純愛はファンにも人気ですよね。
「この人が実在しないのか」と思うとちょっとショック……。
ですが、それだけ吉田版「宮本武蔵」が人気であり、創作部分含め多くの人に愛された作品だったということです。
ではモデルになった人物はいないのか、というと、「小野お通」という女性がいます。