落語といえば、江戸庶民を描いているものが多いですが、江戸時代に実在した人物が活躍する落語もあるのです。それでは、どんな人物が活躍しているのでしょうか?
まずは、完成時代に活躍した力士の谷風梶之助(たにかぜ かじのすけ)です。
彼は、雷電(らいでん)と共に花形力士と言われていました。仙台生まれで、七十場所で負けはたったの二十回と圧倒的な強さ。そんな谷風が登場するのが、落語「佐野山」です。貧乏だけど心優しく親孝行の力士・佐野山のために谷風が情け相撲を仕組むというストーリーです。
あの有名な町奉公の大岡越前守忠相(おおおかえちぜんのかみただすけ)も、落語に登場していました。
八代将軍・徳川吉宗による享保の改革を進められたのは、大岡越前守忠相の力があってこそ。落語では、「三方一両損(さんぽういちりょうぞん)」では三両落とした男、拾って届けた男が口論しているところを裁き…二方二両得になるという話。