江戸時代の吉原は別世界そのもの。いったん大門をくぐると、身分も関係なく、客はみな平等でした。遊女たちが使うありんす言葉も、吉原にいくと耳にすることができます。あリんす言葉が吉原の標準語というのは、ご存知の方も多いはず。
最盛期に遊女は3000人もいたそうですが、この人数スゴいですよね…。もちろん江戸だけではなく、関東そして東北から来たものが多かったといわれています。
当然のことながら、地方からきた子は訛りがあるので、訛りを消して共通のイントネーションをつくる必要がありました。つまり、はねる言葉=ありんす言葉です。
「行きました」は「行きんす」、「飲みなさい」は「のまんし」、「ございます」は「ござんす」…とさまざま。たとえ客が大名であっても、もしありんす言葉がわからなかったら、相手にしてもらえなくなるというから大変!
吉原では身分の差別がなく、客はみな平等。だから、威張っていると「野暮な客」と遊女に嫌われるだけ。馴染みの客になれるよう、ありんす言葉も最低限理解しておく努力が必要だったのですね。