リアル光源氏?高スペックな才能を誇った平安時代のプレイボーイ「平貞文」ってどんな人?

やたろう

平安時代の二枚目な男性と言うと、皆さんは誰を思い浮かべるでしょうか。代表的な人物としては在原業平が有名ですし、漫画などでは藤原道長や源頼光、安倍晴明などもハンサムな男性に描かれることが多いですね。

しかし今回紹介するのは、伝説を築き上げたプレイボーイ歌人 平貞文(たいらのさだふみ)

家柄、才能も十分な平中は完璧プリンス。されど、嘘泣き作戦で恥をかく!

平貞文は桓武平氏、それも桓武天皇の玄孫と言う名門中の名門の御曹司として生まれた人物で、美形なだけでなく歌にも優れていました。平さんの次男坊と言う意味で、平中のあだ名でも呼ばれます。

後世、中古三十六歌仙として称えられた平中は、『古今和歌集』などの歌集にも名を連ねる歌の名手にして、従五位上の官位を授かるほどの高スペックな才能を誇った、光源氏も顔負けの完璧なプリンスだったのです。その平中が歌と並んでこよなく愛したのが、美女との逢瀬(おうせ)です。

そんな平中を見て気が気じゃなかったのは彼の奥方。彼女はいつも夫が女性を口説く際に持ち歩く道具に細工をしました。平中は目を付けた女を落とすために嘘泣きをするべく、水を入れる小瓶と口に香りを付ける丁子(香料)を持っていたのですが、奥方は水を墨に、丁子をネズミの糞にすり替えてしまったのです。

無論、それを使ってしまった平中の美貌は墨で真っ黒、ネズミの糞なんて臭くて食べることも出来ないので、その日の逢瀬は大失敗…たいそう恥ずかしい思いをした平中はこれに懲り、嘘泣きと丁子を食べる作戦をピタリとやめてしまったそうです。

3ページ目 平中、失恋がきっかけで病に倒れる!?

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