チャンスは全ての女性に!?源氏物語の光源氏が愛した女性には意外と不美人がいた

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光源氏が愛した女性たち

「夜の帝王」や「権力者」といえば、たくさんの若い美女を侍らせ…というイメージがあります。しかし『源氏物語』の主人公・光源氏が愛した女性たちは、意外なことに美女揃いではなかったのをご存知でしょうか?

確かに彼の初恋の女性である藤壺や、最愛の女性であった紫の上などは美女として描かれています。

しかし、そもそも光源氏が藤壺に恋をしたきっかけは、父の桐壺帝が藤壺を「母に似ている」としきりに言っていたことですし、紫の上を見初めたのはその藤壺のおもかげを宿していたからで、「美女だから」ではありませんでした。

今回は、美人ではないのに光源氏に愛された女性たちに注目してみましょう。

鼻が赤くて長かった!?末摘花

『源氏物語』に登場する不美人として、誰もがまず思い浮かべるのは「末摘花」でしょう。

彼女は常陸宮の娘という、天皇の血を引く高貴な姫君ではありましたが、父に先立たれ、荒れ果てた屋敷にひっそりと暮らしていました。まるで物語に出てくるような設定の姫に、恋人だった夕顔を亡くした悲しみから立ち直れずにいた源氏は興味を持ちます。

しかし、ある朝彼が横目で見た彼女の容姿は、言葉も出ないほどのものだったのでした。長身で痩せぎすで、顔は長くて青白く、何よりも源氏が「いちばんひどい」と思ったのは、「高くて長くて、先のほうが下に垂れた形」で、しかも赤かったという鼻でした。

現代なら「白人女性によく見られるような容姿」とポジティブに捉えられた可能性もありますが、おかめ顔が美しいとされていた当時としては「絶世の醜女」!

…そんな末摘花でしたが、最後は光源氏の造営した六条院の東の院に夫人として迎えられるという、破格の待遇を得ています。

2ページ目 不美人設定は後付け?花散里

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