日本人は昔から擬人化好き?と思えるほどに、日本文化に擬人化はつきもの。様々な動物を擬人化し描いた平安時代の絵巻物・鳥獣戯画にはじまり、江戸時代に開花した浮世絵でも、多くの擬人化作品が描かれていました。最近では日本酒をキャラ化するプロジェクトもありましたね。
そんな擬人化を、なんと家紋で行ってしまおうというプロジェクトが立ち上がりました!それが今回紹介する「家紋 擬人化プロジェクト」です。
家紋は平安時代に生まれた日本固有の文化で、各家に代々伝わる歴史とも言えます。家紋には子孫繁栄の願いやその家の起源を示すなど、さまざまな思いが込められています。
でも近年では、家紋の存在は薄れてきているのが現状。20代~30代の男女に調査をしたところ、自分の家紋を「即答」できた人はわずか7%だったそうです。みなさんは答えられますか?
そんな現状を変え、世界に誇れる日本独自の固有文化「家紋」を後世に伝えていくためにスタートしたのが、この「家紋」擬人化プロジェクトです。
本プロジェクトでは、自分の家紋を知らない人にこそ家紋に興味を持ってほしいために「擬人化」というキャッチーな手法を活用。家紋研究家の下、絵師10名が家紋の擬人化を行っています。
プロジェクトでは最終的に、約5万種類以上あると言われている家紋の中から使用されている数が多い十大紋をはじめ、主となる家紋を擬人化して描き、書籍にまとめることを目指しています。派生紋も紹介され、合計掲載紋数は900種を超えるボリュームとのこと。
家紋の擬人化は、単にイラスト化したものではなく、各紋が生まれた由来や、家紋に採用された意味、祖先が込めた思いなどを盛り込んだものになるそうです。
近年では家紋が必要となるシーンが減っており、家紋を意識する機会がほとんどありません。家紋擬人化プロジェクトが、家紋をこれまでとは違った切り口から興味を持つきっかけになると素敵ですね。