擬人化、漫画チック…江戸時代のオモシロ戯画にフォーカスした「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」開催

増田 吉孝

江戸時代、明治時代、あるいはそれ以前に描かれた、面白おかしいタッチの絵を戯画(ぎが)と呼びますが、その戯画のなかでも「鳥羽絵(とばえ)」と呼ばれるジャンルがあります。

この鳥羽絵という言葉は、鳥獣戯画の作者と伝えられている鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)から取られたものなのだそう。そんな鳥羽絵をキーワードに江戸時代の戯画を紹介する展覧会「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」が今春開催されます。

「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」は、サブタイトルにもあるように、葛飾北斎、歌川国芳、河鍋暁斎といった、江戸時代〜明治時代に活躍した絵師の作品を通して、当時の笑いの世界を紹介するというもの。

出品予定作品は約280点となりますが、展示されるラインナップがバラエティ豊かでかなり充実した内容になっているのです。

例えばこちらの「きん魚づくし」。歌川国芳による金魚擬人化シリーズで、現在でもとても人気の高い作品なんですが、今現在知られている全9図が本展で全て展示されることになっているのです。(前期限定[4/17~5/13])

さらに、Japaaanでも取り上げたことのある江戸時代の大阪の戯画絵師「耳鳥斎」による地獄図巻も展示予定になっています。地獄図巻といえば、以前Japaaanで紹介した「地獄絵巻」がユルいタッチで人気ですが、耳鳥斎の地獄図巻もなかなかのコミカルっぷり。

その他、葛飾北斎の北斎漫画や、河鍋暁斎のカエル擬人化作品「風流蛙大合戦之図(ふうりゅうかわずだいがっせんのず)」も展示されることになっています。

コミカルな江戸時代の戯画にフォーカスした展覧会なだけに、美術展にあまり行かない方でも難しいことを考えずに気軽に楽しめる内容になっているのではないでしょうか?

「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」は、4月17日(火)~6月10日(日)まで大阪市立美術館で開催されます。

会期

 

江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで – 大阪市立美術館

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