上皇とは?
天皇陛下が2019年4月30日に生前退位されることが決まり、それに伴い翌5月1日から元号が改めらることになりました。西暦2019年は平成31年と新元号が混在する年になるわけですね。まさか現代において「上皇」という言葉が使われることになるとは思ってもみなかった方も多いと思います。
そもそも上皇とは「太上天皇だいじょうてんのう、だじょうてんのう)」の略称で、譲位した天皇に贈られてきた称号。中国の皇帝が位を退いた後、「太上皇」と尊称されたことが由来です。歴史上では「院」という称号を使ったり、上皇が出家した場合は「法皇」とも呼ばれました。
今回、陛下退位後の尊称を「太上天皇」としないのは、退位した天皇と新天皇の区別を明確にし、二重の象徴化を避けるため。
日本では「大宝律令」(西暦701年)に「太上天皇、譲位の帝に称する所」と定められ、第41代持統天皇を上皇としたのが始まり。歴代の太上天皇は63人で、そのうち生前退位されたのは59人です。
ちなみに在位中の天皇のことは「今上天皇(きんじょうてんのう)」と表しますが、お呼びするときは「陛下」と言うのが一般的です。
3ページ目 日本での元号の始まり。そして元号はどうやって決められるの?