これは珍しい企画展!復元した文化財”クローン文化財”が一堂に会する「素心伝心−クローン文化財」

Japaaan編集部

東京藝術大学では、劣化が進んだり、紛争による破壊などで永遠に失われてしまった文化財をクローンとして復元する特許技術を開発しました。失われてしまった文化財が、東京藝術大学の最先端技術によって現代に再びその姿を現します。

東京藝術大学美術館で2017年9月23日から開催されている「東京藝術大学シルクロード特別企画展「素心伝心−クローン文化財 失われた刻の再生」は、古代シルクロードの各地で生まれ、失われてしまった文化財を復元した、クローン文化財が並ぶ世界初の展覧会。

クローン文化財とは、オリジナルの精細な画像データを取得し、3D計測や化学分析を行い、空間・形状・素材・質感・色を忠実に再現したもの。展示作品は、最先端のデジタル技術と、人の手による複製画などの伝統的なアナログ技術を融合して制作されています。

同展で展示される主な展示作品は、2016年5月に開催されたG7伊勢志摩サミットで展示された、「法隆寺釈迦三尊像の再現」、「焼損した法隆寺金堂壁画12面の復元」など。

展示作品の中には、実際に触れて質感や重さを味わえる「さわれるクローン文化財」や、まるで現地にいるかのような臨場空間を体感できる復元作品なども展示されます。

主な展示作品

現在、さまざまな危機的状況下にあるシルクロードの文化財。今回再現された文化財は、唯一無二の存在でありながらも、現在では実物を鑑賞することが難しいものばかり。同展では、クローン文化財と併せて、現地での撮影映像や臨場感のある音など、五感でシルクロードの世界を体感できるとのことです。展示されるクローン文化財の一部は、展示の終了後に故国に「帰還」する予定となっています。

物は無くなっても、その魂やDNAは生き続け、再生する。平和な世界の尊さ、作品の一つ一つに込められた思いを、会場で感じてみてはいかがでしょうか。

東京藝術大学シルクロード特別企画展 「素心伝心-クローン文化財 失われた刻の再生」

 

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