ぬるぬるナマズの日本での歴史
ナマズというと、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。あの特有の外見から、ぬるぬるして掴み所がない変わり者、地震を呼ぶ妖怪のモデルにされたりと芳しい印象ではないかもしれません。
それでも、我が国では民芸品やモニュメントなどを作る際にナマズをモチーフとしたものが極めて多く、皇室でも研究対象にナマズが扱われているのは有名です。どこか人を惹きつける魅力があるナマズは、なんとも不思議な魚ですよね。
そのナマズですが、近年の“ウナギが絶滅危惧種になる”という騒動の影響で、その代用品として脚光を浴びています。本項では、我が国のナマズ文化について紹介していきます。
ナマズ汁は美味しいけれども、祟りにはご用心!
原文には「つぶつぶと切て、鍋に入れて煮て」とあり、主人公である僧侶が「此の汁飲(すす)れよ」とのセリフもあることから、当時はぶつ切りにして多めの汁と共に鍋で煮込んだナマズ汁(もしくはナマズ鍋)を好んで食べていたことがうかがえます。
なお、この強欲坊さんは亡父の懇願を無視して欲を優先した罰が当たったらしく、夢中になって食べている最中、ナマズの骨が喉に刺さって死んでしまいます。ナマズ料理の描写は美味しそうですが、祟りであの世送りにされてしまうのはごめんですね。