同じ名前の神社、結構ありますね!
「水天宮」「天満宮」「氷川神社」など、離れた場所に同じ名前の神社があることは珍しくありません。
横浜には「杉山神社」という神社がいくつもあり、一つの地域に集中しているのも特徴です。横浜市保土ヶ谷区の相鉄線沿線は、「杉山神社」の密集地域なのです。
これらの神社の近くには川島杉山神社、戸部杉山神社などがあり、その気になれば全て歩いて回ることも可能です。
杉山神社の由緒と名前の由来
ほとんどが小さくこじんまりとして、地域の祭りなどの時以外には人の姿もまばらな「杉山神社」は、主に日本武尊(ヤマトタケルノミコト)や、須佐之男命の子・五十猛神を祭った神社です。
『続日本後紀』には、貞和5年(838年)に「杉山神社に霊験(ご利益)があるとして、朝廷から幣帛(お供え物)が奉られた」。また嘉祥元年(848年)には「杉山神社の大神が神階(神様に冠せられる位)従5位下を授けられた」などの記載があります。
日本神話につながるほどの歴史ある神社ですが、詳細な由来については不明な点も多く、謎に包まれた神社とも言えます。ただ、横浜市・川崎市の他には東京都町田市・稲城市に存在するものの、他の地域にはほとんど見られないことから、武蔵国(現在の関東地方の一部)の開拓に伴って広がっていった神社であることは確かだと思われます。
江戸時代には、武蔵国に「杉山社」は全部で72社あったことが『武蔵風土記』の記録から分かります。その後、神社の合祀や名称変更などがあり、現在「杉山神社」「椙山神社」と称する神社は、全部で44社となっています。
「杉山神社」という名称の由来は、シンプルに「杉山に祀られていた神社」だったという説、五十猛命が樹木の神であることにちなんで名付けられたという説など、いくつかの説があります。
小さいけれど、地域住民の心の拠り所だった「ご当地神社」杉山神社。皆さんも近くを通りかかった際には、気軽に参拝してみてはいかがでしょうか?