女性誌でモテメン特集をすると、決まって細マッチョ系や、肩幅がっしりでウエストくびれの逆三角形がもてはやされる昨今です。がっしりとした肩と胸板から理想的に割れたシックスパック。キュッとくびれたウエスト。これが、現代のモテメン体型と言えるでしょう。
しかしながら、武士の時代には、この逆三角形体型は犬腹と呼ばれ、さげすまされる体型だったんです。
太ってる男はモテた!!
肩が下がり、「丹田」といわれる下腹部がでっぷりと充実したカラダ。これが、かつての日本男児のあるべき姿だったのです!
昔の日本男児は武士も農民も膝を伸ばすという習慣がなかったのです。いつも膝を少し曲げ、重心を下にして過ごしてきました。農民は田んぼや畑作業で半腰に、武士は重心を低くして敵に襲われてもびくともしない体幹の強さが求められたからです。
こうした身のこなしこそが、かつての日本男児特有の持久力や粘り強さを培ったのですね。
そういえば日本の伝統武術である、剣道、柔道、空手などすべて、重心を下にして構えますよね。攻撃と防御、持久力と瞬発力、いずれにも長けた体つくりが求められたからです。要するに、逆三角形の細マッチョ体型ではないのです。
もうひとつ、昔は「太っている=裕福である」という方程式が成り立っていました。今でもGNPの比較的低い国では、痩せた男性より太っている男性のほうが圧倒的にモテるそうです。たしかに、日本でもお相撲さんはモテますよね!?
明治維新が日本男児のモテ体型を変えた!?
では、いつごろから日本男児は逆三角形がモテるようになったのでしょうか?
明治維新以降、西洋文化と美意識が怒涛のように日本になだれ込んできてからだと考えられます。そのころから、膝と背中がまっすぐに伸び、今で言う「シュッとした」体型がカッコイイと認識されるようになったそうです。
武士は武術を身に付け、いつもお腹に力を集中させることが必須であったので、必然的に下腹部がでっぷりとしてきます。一方、西洋文化が入ってきてからは、背中をしゃんと伸ばした姿勢が常となり、上腕や胸周りを鍛えている体がカッコイイと美意識が変化したのです。
女性があこがれる細マッチョが、昔は犬腹と言われて見向きもされなかったとは、面白いですね!