婆娑羅(バサラ)という言葉をご存知ですか?婆娑羅とはサンスクリット語で金剛石(ダイヤモンド)を意味する言葉で、日本では平安時代に雅楽などで伝統的な奏法を打ち破る自由な演奏のことを婆娑羅と称しました。
後に婆娑羅という言葉は派手さ、奇抜さ、粗忽、暴れるなどといった意味として解釈されるようになります。戦国時代では婆娑羅が一つの美意識の形となり派手な服装を好むものが出てきます。
そんな美意識・婆娑羅から武士たちの美意識に迫る展覧会が開催されています。開催中の特別展「戦国婆娑羅 – 武士たちの美意識-」では、武将たちが纏っていた甲冑や、武士の美意識に関連した屏風絵、浮世絵を展示。
甲冑の展示では井伊直虎・前田慶次・伊達政宗など人気武将の甲冑も登場します。さらに徳川家康着用の腹巻2点が百数十年ぶりに同時に展示されるのも見どころのひとつ。
一見奇抜で常軌を逸した行動に出る武士たちの美意識・婆娑羅は、単に自分勝手で自己顕示欲が強いというものではなく、戦国の時代を生き抜く武士たちの強い信念、自らの意思をつらぬく意気地が反映されたものなのかもしれません。
そんな武士たちの生き方が形に現れた甲冑などを通して、武士の精神を堪能してみてはいかがでしょうか。
特別展「戦国婆娑羅 – 武士たちの美意識-」は2016年10月8日(土)〜11月13日(日)の期間、浜松市・平野美術館で開催中です。
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