和歌山県太地町の「くじらに出会える海水浴場」が人気を集めてるそうです。2008年から始まったこの試みは、「くじら浜海水浴場」に小型クジラ・ハナゴンドウ2頭を1日2回放流し、クジラを間近で観察できておまけに一緒に泳げるというもの。「じっとしてると向こうから寄ってくる」という愛嬌のあるクジラに、子供たちは大喜びなんだとか。「何ちゃらアドベンチャー」とか「何とかシーワールド」とかだと高いお金がかかりそうな企画ですが、こちらはあくまで普通の海水浴場なので、入場料は無料。さらには、更衣室や冷水シャワーまで無料で使えるということで、大人も大喜びというところでしょうか。
太地町といえば、もちろん、数年前に問題となった映画『ザ・コーヴ』の舞台となった町です。この町が伝統的に行なってきたクジラ・イルカ漁に、自然保護団体・シーシェパードが抗議し、入り江で行なわれた追い込み漁の様子を盗撮して映画公開した『ザ・コーヴ』。ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を獲ったり、日本国内の上映に際して波乱を呼んだのも、記憶に新しいところです。
8月の太地町は、ただただ凄まじく暑く、そして静かな町です。JR紀勢本線・太地駅を降りて町営バスに数分揺られると、目の前には青い空と青い海ばかりの世界が現れます。目立つものといえば、「くじら浜海水浴場」、くじら博物館、そして係留された超巨大な元・捕鯨船くらいでしょうか。
『ザ・コーヴ』の騒動を思わせるものは、『入り江』への入口に立てられた「mayor of taiji」名義の通行禁止柵や、やはり盗撮された漁協スーパーの玄関に貼られた「店内撮影禁止」の英語張り紙くらい。ただただ、のんびり海とクジラを楽しめる町であります。
捕鯨の是非については日本の中でもいろんな意見があるでしょうし、それとは別の問題として『ザ・コーヴ』における捕鯨及び日本人そのものの扱い方にも、いろんな意見があるでしょう。しかし、どんな意見を持つにしても、一度は自分の足で夏の太地町へ出かけてみるべきではないでしょうか。現地に赴けば、クジラ漁とクジラ遊泳の共存も、それこそが「共生」なのだと感じるかも知れません。「くじらに出会える海水浴場」は、8月20日までの開催。
クジラと一緒に海水浴 子供に大人気 和歌山・太地 – MSN産経ニュース
古式捕鯨発祥の地、太地町公式ホームページ
太地町漁業協同組合
捕鯨問題 – wikipedia
ザ・コーヴ – wikipedia