あなたの町のお地蔵様

Japaaan編集部

日本各地に点在する、六地蔵。
地域の方々からお地蔵様と呼ばれ親しまれていることが多いですが、実は立派な「菩薩」様であることをご存知でしたか?
菩薩とは、いわゆる仏様に含まれる尊格です。仏教では(宗派等により定義は異なりますが)、悟りを開いた最高の存在である如来をはじめ、菩薩、明王、天部が仏様と呼ばれます。

他の如来様、菩薩様の多くが仏閣に恭しく祀られているのに対し、お地蔵様は随分と地味に、各地に、頻繁に、しかも道端に、突然姿を現します。これは、地蔵菩薩が全ての衆生の請願を果たそうと、あらゆる道を奔走し救済に尽力し、民間に強く親しまれたからと言われています。トップダウンではなく、ボトムアップでこの世を良くしていこうと活動された方だったんですね。
さらに六地蔵は「六道」を表していて、お地蔵様が天道、人道、阿修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六つの世界を走り回っていたことから来ています。

お地蔵様はこの鎌倉の六地蔵のように、多くの道が交差する場所に祀られていることも多いです(鎌倉の場合変則的な四叉路)。
昔、集落の境や街道の分岐点に祀られていた「道祖神」と呼ばれる神様が神仏習合の影響でお地蔵様に変えられた経緯もあるようです。
道祖神は男女一対であることが多く、子供たちに説明するには直接的な表現、形態があまりにも多く、オトナが説明に困ってしまって親しみやすいお地蔵様に取って代わっていった、などということも言われていますね。

あなたの住む町に佇むお地蔵様は、今も困った人を救い、人の願いに応え続けているかも知れません。優しい微笑みに見守られながら日々過ごしていることを意識してみると、忙しい毎日が、少しだけゆったり穏やかに感じられるのではないでしょうか。

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