早いもので今年も残すところあとわずか。この時期になると、筆者は落語の「芝浜」が無性に聴きたくなります。
「芝浜」とは、年の瀬の芝浜を舞台にした人情噺です。
今日は落語「芝浜」とはどんな噺なのかをはじめ、落語の楽しみ方や歴史を簡単にご紹介します。「落語って難しいんでしょ?」「どうやったら落語を聴きに行けるの?」と思っている方必見です。
落語を一度も聴いたことのない方でも、「落語=噺家が面白おかしく展開していく話芸」ということはご存知だと思います。では、一体落語とはどのような魅力があるのでしょうか?
落語とは
落語(らくご)は、一人の演者が身振り手振りや扇子・手拭いのみを使用し、一人で何役も演じ物語を展開していく話芸です。
舞台装置や衣装もほとんど必要とせず、噺家の話術と聴き手の想像力を駆使し物語が展開されていきます。
その最大の特徴は「オチ(サゲ)」がつくことです。
「オチ」とは、気の利いた結末のこと。
洒落の効いたものから、思わずホロりとするものなど、噺の種類によってオチは異なります。
落語の歴史
落語は、戦国時代から安土桃山時代にかけて成立し、浄土宗の僧侶・安楽庵策伝が元祖といわれています。
武家や貴族の間で楽しまれていた滑稽話が、江戸時代半ばには庶民の間でも人気となり、江戸や大阪を中心に落語家や寄席が登場しました。
落語の種類
落語の種類の分け方は、「作られた時期」での分け方と、「噺の内容」での分け方があります。
【作られた時期による分け方】
- 古典落語:江戸時代から大正時代以前に作られた噺。作者不明のものが多い。
- 新作落語:昭和〜戦後に作られた噺。現代的な設定や題材を取り入れたものが多い。
【噺の内容での分け方】
- 滑稽噺:笑いを中心とした内容で、「寿限無」「時そば」などが有名です。
- 人情噺:人の心情や人生の機微などを描いた内容で、「芝浜」などが有名です。
- 怪談噺:幽霊や物怪などが登場する少し怖い内容で、「死神」などが有名です。
