『べらぼう』史上最高の“萌えキャラ”松平定信(井上祐貴)──ツンデレなオタク全開!10の魅力【前編】

高野えり

NHK大河「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第47話『饅頭こわい』で、“松平定信(井上祐貴)に心奪われた!”という人は多いようです。

「べらぼう」の脚本では、定信は、“我こそは正義”とばかり突っ走るお堅い“寛政の改革の黒幕”という面だけではなく、“黄表紙本に夢中な、ツンデレでピュアなオタク青年”という面も描かれていました。

最終回目前の47話では、定信は“べらぼう史上最高の萌えキャラ”だったのか!と感動した回でした。

ちょいちょいクスッと笑ってしまう、どこか憎めない部分が魅力的だった、井上祐貴さん演ずる松平定信の魅力を振り返ってみました。

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堅物ながら黄表紙に魅せられてしまう

第2回「吉原細見『嗚呼御江戸』」、定信がまだ田安賢丸(寺田心)時代。

宴席での一橋治済(生田斗真)と田沼意次(渡辺謙)の人形劇で皆が盛り上がる中「一橋様、御身に流れる御血筋をいかに心得ておられるか。武家が精進すべきは学問、武芸」と怒って席を立ったことが…。将来の生真面目な改革者としての片鱗を感じる場面でした。

またある日は、屋敷内で、鱗形屋が出した流行りの黄表紙本『金々先生栄花夢』を読んでいる家臣に対し「武士が腹を抱えて笑うとは何事か!」と叱りつけたことも。どこまでも真面目一本槍な賢丸でした。

けれど、取り上げた本を読んで「ゲコンカシコロウサコンケガキコナカサカイコト…これは一体どこの言葉だ?」と家臣に問います。実は文学大好きだったのです。

「遊里の言葉で、“カ行を抜いて”話すのでございます。つまり「げんしろうさんが来なさいと」と相成ります」と説明され、黄表紙にのめり込んでいきます。

この時の記憶は鮮明に残っていたのでしょう。先週の第47回『饅頭こわい』で、耕書堂を訪れたとき「いキちキどコきキてケみキたカかカったカのコだカ」といいましたね。つまり“カ行を抜いた”言葉での「いちど来てみたかったのだ」。少年時代にのめりこんだ黄表紙本の作者・恋川春町(岡山天音)へのリスペクトもあったのでしょう。

そういえば、定信の家臣・水野為長(園田祥太)が「今年出た本を2冊ずつ」と本屋に買いに来ていましたね。2冊ずつ買ったのは定信の分と自分の分だったのか。それとも、ファンがよくやる「1つは読む用、もう1つは大切に保管する用」だったのでしょうか。後者のような気がします。

4ページ目 「クセ強めのアピール」をする張り切りぶり

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