弥生時代の青銅鏡を作る鋳型が初出土!日本に高い鋳造技術があった証明に

増田 吉孝

またまた出土のニュースが飛び込んできました。福岡県春日市にある弥生時代中期の「須玖タカウタ遺跡」で当時の青銅製の鏡を作る際に使われていた鋳型が出土しました。銅鏡を作る際に使う鋳型が国内で出土するのは初。

今回出土した鋳型は多鈕鏡(たきゅうきょう)というタイプの銅鏡のもので、多鈕鏡とは鏡の裏面に紐を通すつまみのようなものが複数ついているのが特徴。今回の鋳型にはそのつまみを作るためのくぼみがあるとのこと。

多鈕鏡の鋳型が国内で見つかったことにより、当時から日本に高い鋳造技術があったことが明らかになったそう。

春日市文化財専門委員で、考古学が専門の福岡大学の武末純一教授は「須玖遺跡が奴国の中心地となった弥生時代中期前半には多鈕鏡が作られていたことを示すもので、当時、日本に高い鋳造技術があったことが明らかになった」と話しています。
弥生中期の「多鈕鏡」鋳型が初出土 福岡 NHKニュース

先日の砂置き場で出土した弥生時代の最古級の銅鐸7個にも驚かされましたが、こういった初出土のニュースには心が踊りだしますね。今回の出土品によって当時の文化の解明が前進することが期待されます。

※トップ画像は東京国立博物館情報アーカイブより、山口県にて出土した多鈕細文鏡。

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