歴史好きのあなただったら、もし古地図があればそれと見比べながら今の街を散策したいと思いますよね。たとえばかつて大名屋敷だったところには今は全く趣の異なる建物が建っていたり、意外にも昔は寺社が多かった地域だったり・・・。そんな風に自分の足で当時の風景を発見できたらとても楽しいことでしょう。
じっくり散策をするならできれば地図を片手に調べたいところですが、もう少し身軽でもいいかも・・・という方にご紹介したいのが先頃リリースされたスマホ及びタブレット用アプリ「大江戸ぶらり」。このアプリにはお江戸真っ只中の東京の古地図が高精細度によるデジタルデータで登録されているのです。
「大江戸ぶらり」は、デジタルによる提供としては初めてとなる東洋文庫所蔵の「江戸大絵図」の元禄年間(1688年~1703年)を記載。原本では読みづらい箇所も多い「江戸大絵図」ですが、保存状態が良い上に大判であることから、今回のデジタル化によって細かい文字まで読むことができるそうです。
これなら手軽ながらも江戸時代へのタイムスリップ気分を存分に味わえますね〜。
「江戸大絵図」の原図は4枚1組で、すべて組み合わせると江戸の町全体を見渡すことができます。現時点の公開分は江戸城を基点に北へ駒込方面までの登録です。アプリの売上の10%が他3枚分の原図のデジタル化に使われ、今後随時アプリに追加されていく予定だそうです。
それと並行して、アプリを制作した東洋学の専門図書館及び研究所である東洋文庫内のミュージアムでは、現在「大地図展」を開催中です。館内では原図である「江戸大地図」の複製が実寸大で展示されているので、アプリの地図をオリジナルバージョンで見たいならぜひ体感してみてください。