まずは粘土で形を作る
いわゆる弥生時代に作られるようになったとされる弥生式土器ですが、今回はその作り方および造形の特徴について解説します。
弥生土器は、明るい褐色で、薄くて堅いことが特徴です。それまでの縄文土器よりも良質の粘土を高温で焼いていたと考えられています。
形は、壺、甕、鉢、高杯とさまざまですが、簡素な作りであることは共通しており、文様も縄目・刻み目・櫛で書いたものなどさまざまな種類があります。無文様のものも珍しくありません。
これらの特徴から、弥生土器は日常生活で広く使われていたことが推察されると同時に、装飾からも当時の人々の美意識や宗教感覚を読み取ることができます。
こうした特徴をもつ弥生土器の作り方は、次の通りだったと考えられています。
まず良質の粘土を採取して、水を混ぜて練ります。それから棒状の粘土ヒモをつくり、底から上に向かって押しつぶすように重ねながら積み上げていきます。
その際、底部・胴部・頸部・口縁部などと四~五段に分けて積み上げ、全体の形が作られます。
次に模様をつけていきます。