彰子の女房大納言の君(だいなごんのきみ)
真下 玲奈(ました・れな)源廉子(みなもとのやすこ)。倫子の姪(めい)。藤原彰子に女房として仕える。
※NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより
『源氏物語』によって文才が認められ、一条天皇(塩野瑛久)の中宮・藤原彰子(見上愛)に出仕することとなった紫式部(役名まひろ。吉高由里子)。
内裏には多くの女官たちが勤めており、紫式部は彼女たちと共に彰子を支えていくのでした。
今回はそんな一人である大納言の君こと源廉子(れんし/やすこ)を紹介。果たして彼女はどんな人物だったのでしょうか。
離婚後に出仕、道長の召人に
大納言の君こと源廉子は生没年不詳、源時通(ときみち)の娘として誕生しました。
母親について詳しくは分かりませんが、同母妹に小少将の君(こしょうしょうのきみ)がいます。
【光る君へ】紫式部と仲良しすぎて道長も手が出せず!? 親友・小少将の君とはどんな女性だった?
幼いころに父を亡くしたため、おじの源扶義(すけのり)の養女に迎えられました。
成長して源則理(のりまさ)と結婚しますが、故あって離婚します(詳細は不明)。
やがておばである源倫子(黒木華)の伝手で彰子の女房として出仕しました。
内裏で倫子の夫・藤原道長(柄本佑)に見初められ、いつしかその召人(めしうど)となったのです。
ここで言う召人とは愛人のこと。姪に手を出されて、正室である倫子はどう思ったのでしょうか。
『栄花物語』によると、道長はこの件について、律儀?にも倫子に相談しています。
「真剣なんです!」訴える道長、容認する倫子
……御こころざしありて思されければ、まことしう思しのたまはせたまひけるを、殿の上は『こと人ならねば』と思しゆるしてなむ……
※『栄花物語』巻八「はつはな」より。
【意訳】道長が倫子(殿の上)に対して、源廉子を召人にしたい思いを伝えた。その真剣な思いを聴いて、倫子は「まぁ、他の変な女に手を出されるよりは……」と思って交際を容認したのである。
「まことしう思しのたまはせたまひける(誠しゅうおぼし宣わせ給いける)」……道長はよほど真剣だったのでしょうね。
道長とすれば、正室の姪に手を出せば絶対にバレてしまいます。
それならいっそ堂々と宣言して許可をもらおう。そんな腹づもりだったのかも知れません。
それを切り出す方も認める方も大概ですが、倫子としても自分の姪なら管理しやすいし、妥協の範囲だったのでしょう。
かくして源廉子は道長と結婚。数いる妻の一人としてカウントされるのでした。