赤い着物のおかっぱ禿たちが都を監視!平清盛が放った不気味な子どもスパイ集団の実態【後編】

高野晃彰

猛々しく強引で自信満々の激情家というイメージが強い平清盛ですが、その辣腕ぶりが決して都のすべての人々に歓迎されているわけではないことを察していたのでしょうか。

幼い子どもを集め、スパイとして京の都を偵察させていたという話が残されています。

前編の記事はこちら

不気味すぎる…赤い着物のおかっぱ禿たちが都を監視!平清盛が放った子どものスパイ集団の実態【前編】

「スパイ」という存在がいることは知っていても、実際に会ったことがあるという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。一般的にスパイというと、派手なアクションが人気の海外映画の主人公や、洋の東西…

傲慢で傍若無人な人間と記されているエピソード

『平家物語』では、天下を掌握した清盛は、傲慢で傍若無人な人間として描かれています。

たとえば……

▪︎祇王という名前の白拍子(平安末期〜鎌倉時代にかけ流行った歌舞を舞う女性)を寵愛していたのに、仏御前という若く美しい白拍子に心変わりして祇王を追い出す。

そして、自分で追い出しておきながら「仏御前が寂しがっているから、話し相手になれ」と呼び出し、さらに下座に座らせる雑な扱いをする。

▪︎都を平安京から福原(現在の神戸市)に無理やり移し大騒ぎとなった「福原遷都」の強行。
(わずか半年で頓挫し、源氏の結束力を高めて平家の滅亡を早めたといわれる)

▪︎取り立ててくれた後白河法皇を幽閉

など、さまざまなエピソードが記されています。

妻の弟で平時忠が「平家にあらずんば人にあらず」といってのけるほど栄華を極めていた平家ですが、平清盛はどこかで気弱な部分もあったのかもしれません。

そんな一面が伺えるのが、小さな子どもをスパイ集団として利用していた話です。

4ページ目 赤い着物におかっぱ頭の集団

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