甲冑、馬…”もののふの備え”がテーマの特別展「もののふの備え 甲冑の美学 / 馬とともに」開催

Japaaan編集部

徳川家康から尾張徳川家初代の徳川義直(家康9男)が譲り受けた遺品を中核に、江戸時代を通じて御三家筆頭の大名家に受け継がれてきた名品と、その後の収集品から成る1万件を超えたコレクションを有する「徳川美術館」で、夏季特別展「もののふの備え 甲冑の美学 / 馬とともに」が開催されます。

夏季特別展 もののふの備え 甲冑の美学

朱塗啄木糸威具足 徳川義直(尾張家初代)所用 江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵

古今東西の鎧のなかでも、日本の甲冑は美しさ華やかさを重視して作られた特異な鎧です。平安時代に登場する大鎧は、戦闘に用いる武具であるにもかかわらず、王朝装束の「かさねの色目」の影響を受け、色彩豊かな威糸で装飾されました。

また戦国期の甲冑は、徒歩戦のために機能性を追求して構造がシンプルになる一方、戦場で目立ち、あるいは武運を祈るため、個性的で奇抜なデザインが取り込まれることもありました。

これら装飾性豊かな日本の甲冑美を紹介するとともに、江戸時代以降、さかんに行われた中世武具の考証、復古にも焦点を当てます。

夏季特別展 もののふの備え 馬とともに

馬は古来より人の生活と文化に深く関わり、中世からの武家社会ではとくに軍馬として重用されました。軍事権を「兵馬の権」・武芸一般を「弓馬の道」と言うように、馬を扱うことは武士の必須の嗜みであり、優れた馬は、武威・武芸の象徴として武士の身分格式を示す存在となりました。

調馬図屏風 六曲一双 尾張徳川家伝来 岡谷家寄贈 江戸時代 17世紀(展示:右隻7/27~8/13・左隻8/14~9/16)

こうして武家風俗と密接に結びついた馬は、その気高い姿が武士たちに愛好され、多様な美術工芸品のモチーフにも表されます。また、人馬を繋ぐ馬具は時代や用途によって変化し、近世には華やかな装飾性が取り入れられて発展しました。

本展では、馬と人がともに生きた歴史について、武家社会と馬の関わりを中心に紐解いていきます。

夏季特別展「もののふの備え 甲冑の美学 / 馬とともに」は、2024年7月27日(土)~9月16日(月・祝)の期間、名古屋市・徳川美術館で開催されます。

 
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