NHKの大河ドラマ「光る君へ」で主人公のライバルとして注目されている才女・清少納言。
前編では、「平安のSNS」「平安のインスタ」などとも称される清少納言の代表作『枕草子』から、キラキラ宮廷女子的な美しい文章から、裏アカ的毒舌な文章をご紹介しました。
平安時代のインスタ!?清少納言の『枕草子』は共感する毒舌と炎上しそうな悪口が面白い(前編)【光る君へ】
後編では、さらに清少納言にとって「取り柄のないもの」「見苦しいもの」「イライラするもの」など、辛辣な毒舌(でも、共感してしまう)をご紹介しましょう。
「取り柄のないもの」「見苦しいもの」
前編でご紹介した「ありがたきもの」(めったにないもの)という中で「めったにないもの。舅に褒められる婿と、姑によく思われる嫁」と、「まあ、めったにないわよねww」的な辛口文章よりもさらに痛烈な悪口もあります。
「取り柄のないもの」「見苦しいもの」
第百三十四段「取りどころなきもの」(取り柄もないもの)という文では、
(原文)
取りどころなきもの。容貌憎さげに、心悪しき人。
(意訳)
「取り柄もないもの。憎らしい容貌をしていて、心や性格の悪い人」
という悪口を書いているのですが、その後に「枕草子」が一目に触れるなんて思わなかったので不快なことを思いつくまま書いたのだ…と付け加えています。
さらに、第百四段「見苦しいもの」という文では、
(原文)
見苦しきもの……夏、昼寝して起きたるは、よき人こそ、いますこしをかしかなれ。えせ容貌は、つやめき、寝腫れて、ようせずば、頬ゆがみもしぬべし。
(意訳)
見苦しいものとして、夏の昼寝は高貴な人ならいいけれど、ブサイクな人の場合は脂ぎってむくんで歪んでいるようにみえる
ブサイク同士が昼寝して目覚めてお互いに顔を見てしまったら、生きていく意味もわからなくなると、ひどい悪口が続いています。
一説によると、清少納言は自身の要望にコンプレックスがあったため、非常に美意識が高かく「ブサイク」「美しくないもの」をかなり痛烈に非難したと伝わっています。