お金の悩みは現代と同じ…お金のため命をかけた狂戦士「鎌倉武士」の切実な”中抜き”事情

山内琉夢

各世帯の収入格差が過去最大に到達したといわれる近年、副業や投資をして収入をアップさせたり、どうにか支出を抑えようと対策している人も多いようです。このように「お金のこと」で苦労をしているのは、現代人だけではありません。

今回は、お金のために命を懸けて戦った鎌倉時代の武士について紹介します。

狂戦士・鎌倉武士

鎌倉武士とは、平安末期~鎌倉時代に活躍した武士たちの総称です。当時、世界一の国土を保有していた列強・モンゴル帝国との戦争「元寇」に参加し、勝利に繋がる功績を残しています。異常なほど勝利に固執する彼らは、一部の歴史マニアやネット民のあいだで「狂戦士」や「バーサーカー」の二つ名でよばれるほど。

元寇の際に日本人捕虜を盾にしながら突撃してきたモンゴル軍に対して、一瞬の隙や迷いを見せることなく、仲間ごと弓で射ったというのは、有名すぎるエピソードです。

さらに、モンゴル軍には捕虜が効果的であることを見抜き、モンゴル兵を盾にした戦闘スタイルで戦況を有利に立ち回ったという逸話も残されています。

鎌倉時代に日本が侵攻されたとき、「神風」を起こして日本を守った風の神様とは?

歴史好きなら、元寇(げんこう)のときに神風が起こり、2度も日本を救ったエピソードを聞いたことがある人も多いと思います。しかしその神風を起こしたのは、「風の神様」だったという伝承はあまり知られて…

しかし、彼らは血も涙もない戦闘狂だったわけではありません。というのも、当時は従う代わりに土地を譲り受ける契約「御恩と奉公」で武士と主人の主従関係が成立していた時代。武士は土地を譲り受けるために武功や戦果をあげる必要があり、仲間の命よりも勝利に固執する必要があったと考えられています。

ではなぜ、当時の武士はそれほどまで「土地」に執着したのでしょうか。

2ページ目 土地の価値 〜 現代と鎌倉時代の共通点

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