かき氷機の登場
【前編】では、平安時代から存在していた「かき氷」が、明治時代以降の製氷技術の発展をまってようやく一般庶民にも広まっていった流れを解説しました。
かき氷はいつから食べられていた?意外と長いその歴史とポテンシャルの高さ【前編】
高級品だったかき氷かき氷の歴史はとても古く、平安時代にまでさかのぼります。『枕草子』には金属製の器に氷を刃物で削った「削り氷(けずりひ)」に甘葛(あまかづら)という甘いシロップをかけたものが「あて…
しかし製氷機だけでは足りず、かき氷機(氷削機)はまだ当時一般化していませんでした。人々は鉋(!)で粗く削った氷を食べていたのです。
そこで1887年(明治20年)に、村上半三郎という人物がかき氷機を発明して特許を取ります。
このかき氷機は薄く削った氷を作ることができ、これが現在のかき氷の原型となりました。その後も技術は進化し、今ではふわふわとした舌触りの滑らかな氷を作ることができるようになりました。
名称もさまざま
かき氷が気軽に食べられるようになり、全国へ広がっていくに従って、その呼称にも地域色が出てくるようになります。
例えば関東では「かき氷」と呼ばれることが多いですが、関西では「かちわり」と呼ばれることもあります。
また、かき氷を「氷水(こおりすい)」と呼ぶ地域もあります。一般的には、東北地方や北陸地方などの寒冷地に多いようです。
一方、九州地方では「氷水」という言葉はかき氷のことではなく冷たい水のことを指すもので、このあたりに、地域ごとにかき氷というものがどう受け止められていたのか、その歴史が垣間見える気がしますね。