近年、フリマアプリが盛況ですね。フリマと略して言われていることが多いからか、英語では「free(自由な)market」と呼ぶと勘違いしている人も多くいるのでは?
でも英語では正しくは「flea market」と称して「蚤の市」です。日本でも古くは「蚤の市」と言われてきました(少なくとも筆者の親の昭和世代は蚤の市と呼んでいました)。
日本語でも英語でも偶然同じ名前になった?…わけではなく、発祥はフランスでした。
最初の蚤の市
蚤の市は、フランス語のmarché aux puces(マルシェ・オ・ピュス)に由来します。
このピュスは日本語では「蚤」に該当し、英語では直訳で蚤を意味するfleaをあてがい、Flea market と呼んでいます。日本ではいつしか英語のフリーマーケットが定着しましたが、音の響きから「free」と混同して使われることが増えてしまいました。
日本での第1回蚤の市は、昭和9年(1934年)9月29日に銀座松坂屋で開催されました。これが好評だったようで、翌昭和10年3月には第2回が開催されたほか、4月28日より増上寺境内でも開催されるようになったとのこと。
発案したのは巴里会(ぱりかい)という社交団体です。この巴里会は、パリに滞在経験のある画家や作家、実業家などが集まり、黒田鵬心という美術評論家を中心として1930年に発足しました。1930年代は関東大震災からの東京復興に市民が沸いていた時期でもあり、巴里会も銀座をパリのような都市にするという問題意識を共有していたそうです。
日本各地で行われる蚤の市やガラクタ市は、1990年代以降若者・ファミリー向けの「フリーマーケット」(略称: フリマ)と呼ばれるものが多くなり、今や社会を形成する一部になったといっても過言ではありませんね。
また日本フリーマーケット協会は、積極的に自由という意味の「free」を使い活動しているようです。お財布にも環境にも優しいフリマ、賢く活用していきたいですね。