2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でもそのシーンが描かれた「曽我兄弟の仇討ち」。
日本三大仇討ちの一つ「曽我兄弟の仇討ち」父の復讐に生きた兄弟の結末は…【鎌倉殿の13人】
「人殺し!」そう言って工藤祐経(演:坪倉由幸)に石を投げつけていた男の子たち。彼らは一萬丸(いちまんまる)・筥王丸(はこおうまる)という兄弟で、後に曽我兄弟(そがきょうだい)とよばれます。…
そこで父の仇をとった兄弟のうちの兄・曽我十郎祐成(すけなり)には、愛する人がいました。その女性が、今回の記事でご紹介する「虎御前(とらごぜん)」という人物。
一体、どのような女性だったのでしょうか?
虎御前の生い立ち
虎御前は、実在していたかどうかがはっきりとわかっていない人物です。伝説上の女性と考えられることもあります。『吾妻鏡』にも彼女が登場することから、実在の人物だとする説もあります。
そのため、虎御前の出自には諸説あります。平塚の宿(宿場には遊女がいました)の遊女、夜叉王(やしゃおう)と、彼女のもとに通っていた宮内判官・家永とのあいだに生まれたというのが『曾我物語』による説です。1175年生まれとされています。
5歳のころ、大磯(こちらも宿場で、遊女がいました)の遊女に引き取られ、育てられます。そして虎御前自身も遊女となります。