味噌や山菜は高栄養食材
【前編】では、武田信玄が陣中食に「ほうとう」を採用したことについて、穀粉を兵糧とするのがいかに理にかなっていたかを解説しました。
武田信玄の武力を支えたのは郷土料理「ほうとう」だった!現代にも通じるその栄養価を検証【前編】
武田軍の陣中食「ほうとう」戦国時代の甲斐国(現在の山梨県)の武将と言えば武田信玄。戦国時代最強とまで言われた彼の強さを支えていた食べ物のひとつに、「ほうとう」があります。[caption …
武田軍が採用した「ほうとう」の食材は、穀粉だけではありません。実はほうとうに含まれる味噌も、ビタミンやアミノ酸、ミネラルのみならず、人間の生命維持に欠かせない九種類の必須アミノ酸などが豊富に含まれた高栄養食材です。
また、その他にも、山育ちである武田軍のほうとうには特徴がありました。ここまでで紹介した生麺と味噌に、さらにキノコなどを含む山菜類を現場で収穫しては鍋に加えていたのです。
動物性たんぱく質も忘れてはいけません。彼らは山の中でイノシシなどを捕まえて、一緒に調理していました。武田軍のほうとうは、まさに「山の幸」が盛りだくさんだったのです。
このように、食材を現地調達したのもまた、十分な米が確保できないがゆえの「苦肉の策」だったのかも知れません。しかしここまでのラインナップだけでも、栄養面ではとても理想的であることが分かるでしょう。