【最終回】「鎌倉殿の13人」義時たちに待ち受ける、それぞれの結末。第48回放送「報いの時」振り返り

北条義時(演:小栗旬)にトドメを刺したのは、まさかの姉・政子(演:小池栄子)。幼き先帝(仲恭天皇)にまで手にかけようとする弟を止めるため、薬を捨てたのでした。

「駄目よ。嘘つきは、自分のついた嘘は覚えてないと」

最後の最後で我が子・源頼家(演:金子大地)が暗殺された真相を知ってしまい、その仇を討つ意味もあったのでしょうか。

最愛の嫡男・北条泰時(演:坂口健太郎)に理想の鎌倉を受け継ぐため、すべての悪行と罪業を抱えて地獄へ堕ちる主人公。

最後まで生き延びようと、流された薬をなめようと這いつくばる姿はまさに「手負いの獣」。今までの大河ドラマではなかなか見られない結末でしたね。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。1月9日の第1回放送「大いなる小競り合い」を観た後で、誰がこの結末を予想できたでしょうか(まぁ、三谷幸喜のことだから、何か仕掛けてくるだろうくらいは思っていましたが……)。

これを機に、平安・鎌倉時代に興味を持って下さる方が増えると、筆者はとても嬉しいです。それではさっそく、今週も大河ドラマを振り返っていきましょう!

行け、俺たちの泰時!宇治川の決戦

さて、後鳥羽上皇(演:尾上松也)に対して徹底抗戦を決めた鎌倉勢。しかしその内情は一枚岩でなく、出来れば戦いたくない御家人も少なくありません。

もちろん?隙あらば権力の座を狙う三浦義村(演:山本耕史)もその一人。長沼宗政(演:清水伸)と共に総大将・北条泰時を背後から襲い、その首級を朝廷に献上する気満々です。

しかし大江広元(演:栗原英雄)と三善康信(演:小林隆)の咤激励によって18騎で出撃した泰時の軍勢はたちまち膨れ上がり、その数およそ19万騎(東海道の本隊、東山道・北陸道の別動隊合計)。

対して藤原秀康(演:星智也)と三浦胤義(演:岸田タツヤ)の率いる官軍は1万騎。最後の防衛線である宇治川も突破されてしまいました。

個人的には、宇治川の合戦シーンにもっと力を入れて欲しかったです。また尺の都合で割愛されていましたが、筏による渡河に先んじて騎馬で濁流へ乗り込んだ勇士たちの姿を楽しみにしていたファンも多かったのではないでしょうか。

第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦よろしく、殺されても殺されても果敢に屍の山を乗り越えて吶喊する坂東武者たちの雄姿、ぜひ拝みたかったですね。

ともあれそんな中、平盛綱(演:きづき)が矢に射られて重傷を負います。筏を押すため鎧を脱いだためですが、筏を押させるならもっと身分の低い者がいくらでもいるでしょうに……とまぁ野暮はさておき。

大動脈が通る鎖骨辺りを射抜かれ、「まさかここで討死(史実ではその後も生存しているのに)!?」と思ったら、やはり「何かに守られて」助かりました。きっと亡き八重さん(演:新垣結衣)のお陰ですね。

8ページ目 後鳥羽上皇の隠岐遷幸(実質流罪)

次のページ

この記事の画像一覧

シェアする

モバイルバージョンを終了