「忍者装束」の由来
忍者装束と言われて私たちがイメージするのは、全身黒ずくめで、目出しマスクのような頭巾をかぶっているスタイルです。あんなスタイルを現代社会でやったら完全に不審者ですが、忍者というだけでかっこよく見えるから不思議です。
しかしあの頭巾は、最初からああいうものが使われていたわけではありません。最初、いわゆる忍者たちは手拭いで顔を隠して行動しており、それが発展してああいうスタイルになったのです。
また、いわばフルフェイスの頭巾が採用されたのは、顔を隠す以外にも頭を隠すためという理由がありました。江戸時代の成人男性はさかやきという、髪の毛を剃り上げたヘアスタイルだったため、この剃り上げた箇所を隠すことで正体がばれないようにしたのです。
それから忍者装束のイメージとして根強い黒ずくめという点ですが、実際には本当に真っ黒ということは少なかったようです。
忍者の多くは、昼間は農民として過ごし、夜に諜報活動などを行うという生活を送っていました。夜に行動するなら黒ずくめの方が目立たなさそうですが、実際には姿かたちが浮き上がりやすいのです。
よって、実際に使われていたのは濃紺や柿色のものが多かったとされています。
こうしたスタイルの元祖は、伊賀地方の農民(忍者)だと言われています。