富岡製糸場につづいて目指せ世界遺産!ユネスコが「官営八幡製鉄所」の現地調査を開始

増田 吉孝

2014年6月に世界遺産登録決定した富岡製糸場につづいて、八幡製鉄所が「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産の仲間入りをするかもしれません。

2014年9月30日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が2015年の世界文化遺産登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」の保全状況を確認するために、国際記念物遺跡会議(イコモス)の専門家らが「官営八幡製鉄所」などを現地調査しました。

広大な敷地の八幡製鐵所。「戸畑構内」周辺の空中写真。

「八幡製鐵所」は、福岡県北九州市にある製鉄所。1901年に官営製鉄所としてスタートした後、度々の組織解体や合併を経て、現在は世界第二位の鉄鋼メーカー「新日鐵住金」が運営しています。

調査チームは、1899年に建造された当時の本部ビル「旧本事務所」など遺産を構成する4施設を調査。
旧本事務所

当時の最先端の技術を駆使して建設された高炉は、現存しておらず、高炉跡がリスト入りしています。

官営八幡製鐵所 高炉

調査された施設のうち、1900年に建てられ現存する鉄骨建造物としては国内最古の「修繕工場」、工業用水をくみ上げる「遠賀川水源地ポンプ室」は、驚くべきことに今も現役として稼働しています。

事務所、修繕工場、ポンプ室、などは鉄の製造に直接関わらない施設。当時の施設が現存しているだけでもすごいことですが、建物の立派さだけではなく、間接的な部門が鉄の製造をどのように支えたのか、使われたのか、をきちんと説明できるかどうかに登録の可否がかかっているようです。

イコモスの調査は10月5日まで8県で実施。当時としては最新の技術を活用した近代的な港である熊本県宇城市の三角西港などを訪れるそうです。

日本の近代化を牽引した大きな原動力の1つである八幡製鉄所。登録の可否は来年6月に決まるとのことです。

via.世界遺産登録目指す「官営八幡製鉄所」を現地調査 ユネスコ諮問機関 – MSN産経ニュース

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