実は濡れ衣?バーサーカー 源義経、壇ノ浦の戦いで水夫を射ていなかった!【鎌倉殿の13人】

ひとたび戦さ場へ出れば、八幡大菩薩の化身と見まごうばかりの大暴れ。

しかし天性の軍才を備えた反面、人格には少なからず難がある……近ごろはそんなキャラクター描写の多い源義経(みなもとの よしつね)。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも、菅田将暉さんが実にピーキーな性格を好演、SNS上でも「サイコ」だの「バーサーカー」だの話題に。

そんな「戦さは強いけど、人格に問題がある義経」イメージを形成する一因として、壇ノ浦の戦いで「水夫を射させた」というエピソードがあります。

海上での船戦さに不慣れな源氏方は劣勢に立たされており、苦境を打開する策として義経が水夫(すいふ、かこ)を射殺するよう命じたというのです。

船は漕いでも戦闘には参加しない水夫をあえて射殺すのは道義に反する……御家人たちは反対しますが、義経はこれを強行。

水夫を射殺されて身動きがとれなくなった平家方はたちまち矢の的となり、形勢逆転されてしまった……というもの。

かくして壇ノ浦の決戦を制した義経ですが、その非道な戦いぶりを御家人たちは非難したと言いますが、本当なのでしょうか。

今回は『吾妻鏡』と『平家物語』の記述からその真偽を確かめてみたいと思います。

3ページ目 水夫を射殺し、斬っていたのは……

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