筆者が学生の時、国語の教科書の中で印象に残っていたのが「徒然草(つれづれぐさ)」でした。ただ思うままに書かれた文章の中に出てくる見事な「オチ」には、感動した人も多いのではないでしょうか?
今回はそんな「徒然草」の著者である吉田兼好(よしだけんこう)について紹介したいと思います。
日本三大随筆
「徒然草(つれづれぐさ)」は、清少納言の「枕草子」や鴨長明「方丈記」と並ぶ「日本三大随筆」のひとつです。題名になっている「徒然」は暇を持て余し、手持ち無沙汰な状態を表しています。
諸説ありますが、「徒然草」は暇を持て余した吉田兼好が気の向くまま思いつくままに書き留めたとされる短編集作品です。
謎に包まれた「徒然草」の筆者・吉田兼好という人物
吉田兼好は室町時代に生きた随筆家ですが、出身地も生年月日も享年もはっきりしたことが分かっておらず、「徒然草」の筆者ではないといった説もあります。
本名を「卜部兼好」としていましたが、出家後は「兼好法師」と改名。性である「吉田」というのは京都にある吉田神社出身という説が濃厚です。
兼好は生涯、権力や富には執着することなく、質素な生活をして過ごしたといわれています。