タブーとされている事柄は時代や地域によってことなりますが、日本の江戸時代にはどんなタブーが存在したのでしょうか?
現代とは違う文化も、ちゃんとした理由があったのかもしれません。
そこで今回の記事では、江戸時代のタブーにまつわるあれこれをご紹介したいと思います。
肉は、本当にタブー!?
江戸時代のタブーというと、まっさきに「肉食」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?そもそも日本においては、奈良時代に肉食が禁じられるようになりましたが、これは仏教が殺生を忌むことの影響を受けてのことでした。
そして、文明開化とともに明治時代では牛鍋が流行。では、江戸時代はまったく肉を食べていなかったのでしょうか?
実は、そうでもなかったようです。
例えば、緒方洪庵(蘭学者)の日記には牛肉を食べたことが書かれているそうです。また、大石内蔵助も牛肉を贈っていたとの記録も残っています。
江戸時代においては、牛肉は滋養強壮のため、薬として食べられていたのです。食べたのは「薬」だから「肉」を食べたことにはならない、という理屈だったとか。
関連記事日本人が肉食をしなかった時代はない。明治時代以前も日本人はお肉を食べていた
戊辰戦争を経て明治維新となり、日本には西洋から様々な文化が入ってくるようになりました。その結果、人々の価値観に変化が生じ、それまでタブーとされていたことにも手を出すようになって行きました。その…
肉を表す隠語も
鹿肉を「もみじ」、馬肉を「さくら」、猪肉を「ぼたん」、鶏肉を「かしわ」と呼ぶことがあり、これらの言葉は現代でも使われますが、これらの隠語が生まれたのも肉食の禁止がきっかけでした。