9月29日。大相撲で横綱・白鵬が引退届を提出、「一時代が終わる…」と寂しさが去来した筆者です。
さて、引退に伴い「一代年寄」になるのかどうか話題になったのですが、そもそも「年寄」という制度、知っているようで知らない人が多いのではないでしょうか。
引退したら親方となり、名前が変わりますね。しかし引退すれば誰でも親方になることができて、好きな名前を名乗り部屋が持てるわけではありません。
年寄株とは?その金額はけた違い!
まず「年寄株」という親方の資格や免状のようなものを取得しなければなりません。
正式には「年寄名跡」といい、現在は全部で105あります。
年寄名跡を得る条件は、大前提として日本国籍であることと、下記のいずれかを満たしていなければなりません。
- 最高位が小結以上
- 幕内に在位していた回数が通算で20場所以上
- 十両以上の在位が30場所以上
実力上位力士ですと引退前から年寄株を取得している場合もありますし、複数の年寄株を保有することもできます。引退して襲名する名跡がない力士は年寄株を保有している引退前の力士から「借りる」こともあります。その場合はその権利を保有する力士が引退したら返上しなければなりません。そして定年引退(65歳)や廃業などで年寄の空きが出るまで、何度も借りたり返上したりを繰り返す力士もいます。引退後に名前が複数回変わる親方がいるのはそのためです。
年寄株のやりとりは自分の部屋の属する一門内や、所属していた部屋の親方から継承するということが慣例となっています。空位の年寄名跡は、相撲協会による一時預りとなります。
ちなみに人から人へ譲渡される年寄株の金額は公にはされていませんが、数千万から数億円ともいわれています。
年寄として初めて番付に載る際は「(四股名)改メ○○」と書かれます。
また、引退時に年寄名跡のない横綱や大関に対しては限定措置のような制度があり、横綱は5年間、大関は3年間に限り現役時の四股名を名乗ることができます。