母から娘へ受け継ぐ花ふきん

Japaaan編集部

花ふきんってご存知でしょうか?もしかしたら商品名としてご存知の方はたくさんいらっしゃるかもしれません。晒を使って作られた吸水性が良くて乾きやすいふきんとして有名です。
しかし、そんな商品とはまた別に花ふきんというと、刺し子をした晒のふきんのことを言います。
刺し子の模様は本当に色々。シンプルに直線でちくちく縫っているものもあれば、花模様になっているものも、円を組み合わせた幾何学模様のようなものもあります。
昔はこれを嫁入りの時に母が娘に持たせたのだそうです。

丈夫にする知恵刺し子

ではなぜ布に刺し子をする必要があったのでしょうか?
それは、布をより丈夫にするためです。
昔は今のように物がふんだんにあったわけではありませんから、1枚のふきんでも大切に使い続けたわけです。
そのために、より丈夫になるように刺し子をしていったんですね。
そしてそれが実用性のためだけでなく楽しみにもなるように、様々な模様が生まれたというわけです。

刺し子の模様は幾何学模様のように見えるものが多いように感じます。
かわいらしい模様もたくさんあって、一本の糸でこれを表現できるなんてすごい!と驚いてしまいます。
まさに生活から生まれた芸術と言えるのではないでしょうか。

 

 

ずっと一緒に

そんな風に刺し子で作る花ふきんは、女の子がまず一番初めに覚える針仕事でもあり、おばあちゃんになってからもずっとできる針仕事でもあったそうです。
自分に娘が生まれると、せっせと花ふきんを縫い続ける・・・・・・。

しかもそんな針仕事、昔は昼間にすることではなく、夜になって家族のみんなの世話が終わってからやる仕事だったんだそうです。
一人の静かな時間にただひたすら無心に針を動かす。もしかすると瞑想に近い感覚が得られる瞬間だったのかもしれません。

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