伝承は本当だった!戦国時代、武田信玄が作らせた不動明王像の作者が判明!

報道によると令和3年(2021年)3月12日、恵林寺(えりんじ。山梨県甲州市)に安置されている不動明王(ふどうみょうおう)像について、その作者と制作時期を示す証拠が発表されました。

武田不動尊の作者は伝承の仏師・康清「の弟」康住だった!

不動明王像は戦国大名の武田信玄(たけだ しんげん。大永元・1521年生~元亀4・1573年没)公が京都の仏師・康清(こうせい)を招き、自身をモデルに作らせたと言われ、武田不動尊(たけだふどうそん)として現代に伝わるものです。

恵林寺では2月に帝京大学文化研究所(同県笛吹市)に調査を依頼、仏像の底にあけられた穴からファイバースコープを挿し込んだところ、仏像の顔面内部に「七條大仏大貮法印 康住造(しちじょうだいぶつだいにほういん こうじゅうのつくる)」という銘文と共に「元亀3年(1572年)4月(判読不能)日」と日付が墨書されていました。

康住(こうじゅう)とは康清の実弟に当たる仏師で、いよいよ本格的な上洛に乗り出そうとした信玄公が不動明王の御加護を得ようと(あるいは死後も不動明王として武田家を加護しようと)二人を招き、自身をモデルにした仏像制作を発注したものと考えられます。

12日に開かれた記者会見において、仏像調査を担当した岡田靖准教授は「仏像の内部は漆で塗られていた。金や銀を使った丁寧な彩色が施された」「高いクオリティで細部まで入念に作られており、この時代を代表する像と言える」などと評価。

また恵林寺の古川周賢住職も「(信玄公の生誕500年という)節目の年に、言い伝えが裏づけられてよかった。これも信玄公のお導き」と喜びのコメントを発しました。

3ページ目 仏像は特別展で展示予定

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