2020年の「中秋の名月」は10月1日。お月さまと心優しく哀しいうさぎのお話…とは?

高野晃彰

2020年の「中秋の名月」は10月1日。もうすぐですね。

吹く風も涼しく、虫たちが奏でる音色も美しくなる秋。空気が冷え空も高くなり、一年の中で一番月がきれいに見える季節です。月をめでる「中秋の名月」という習慣は、平安時代に中国から伝わったといわれています。

現代でも、9月になると待ちかねたようにお月見にちなんだ食べ物やお菓子などがリリースされますよね。日本に定着している「お月見」は、家で楽しむことができる秋を代表するイベントです。

中秋の名月をより楽しむためのお月見雑学や、うさぎに秘められたやさしくも哀しい逸話をご紹介しましょう。

平安貴族も楽しんだ月をめでる宴

一説によると、月を眺めて楽しむ習慣は縄文時代頃からあったといわれています。そして、唐から本格的な「お月見」の風習が日本に入ってきたのは800年代の後半。

919年には、第59代天皇・宇多天皇が、日本オリジナルの月見の宴を開催しました。当時のお月見は酒を酌み交わしつつ詩歌や管弦を楽しむという風流なもので、庶民には全く縁のない催しものだったそうです。

貴族の優雅な遊びとなったお月見

平安時代には、お月見は非常に豪華な催し物に進化。嵯峨天皇は京都・嵯峨野の大沢池に船を浮かべ、お酒を飲み音楽を奏で、水面に映った池を愛でるという贅沢な楽しみ方をしました。

大沢池は、日本三大名月鑑賞の地。現代でも、この空と池に浮かぶ月を楽しむ「観月の夕べ」が催されています。(今年は新型コロナ感染拡大防止から規模を縮小。事前申し込みの方のみで開催)

名月を拝み、お供えをする風習が生まれたのは室町後期の頃になります。庶民の間に広まったのは江戸時代の事でした。

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