日本人は「三大◯◯」が好きで、あらゆるコンテンツに「三大」が存在します。それは大仏の世界においても同じなのですが、日本三大仏の三枠目については、長年にわたって各地の大仏が名乗りをあげており、いまだに決着がついていません。今回はそんな終わらない議論から、大仏のことについてご紹介いたしましょう。
大仏の条件とは?
ひとくちに「大仏」といっても、普通の仏像と大仏の境目はどこにあるのでしょうか?学術的に定められたものはありませんが、お釈迦さまの身長を基準にする場合が一般的です。
伝承によるとお釈迦さまの身長は「一丈六尺(約4.8m)」あったとされています。そうしたことから立像で約4.8m、座像で約2.4mの仏像はお釈迦さまの等身大の像であるとして「丈六仏」とよばれ広く親しまれています。
この4.8m(座像で2.4m)を超える仏像を大仏と呼ぶ場合が多いようです。
不動のTOP2は奈良と鎌倉
大仏と言われて、多くの方の脳裏に浮かぶのは「奈良の大仏」と「鎌倉の大仏」でしょう。
まず、奈良の大仏は西暦752年に開眼(魂を入れること)され、1200年以上の歴史を持っています。聖武天皇の発願により国家事業として建立された、日本を代表する文化財のひとつです。
また、鎌倉の大仏は西暦1243年の開眼ですが、それでも770年以上の歴史を誇ります。奈良の大仏は歴史が長い分、多くの戦火や災害に見舞われ何度も補修を繰り返していて、製作当時のまま残っているのはごく一部しかありません。
一方で鎌倉の大仏は、露座(屋外に座っている)にも関わらず、ほぼ全体が当時のまま残っているのです。このTOP2は誰にとっても間違いのないものでしょう。