日本最古の三角関係♡禁断の恋に揺れた飛鳥時代の万葉美女「額田王」その3

小山 桜子

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る・・・。

この素敵な歌は「万葉集」に収められている額田王(ぬかたのおおきみ)が作った歌です。

作者の額田王は、飛鳥時代の皇族で、万葉歌人としても知られる高貴な女性です。彼女のこの歌が有名なのは、この歌が日本史史上に残るおそらく最初の三角関係の恋物語を詠みこんだものだとされているからです。

今回は前回に引き続き、2人の天皇に愛された美しい歌人、額田王の人生と恋をご紹介します。

前回の記事はこちら

日本最古の三角関係♡禁断の恋に揺れた飛鳥時代の万葉美女「額田王」その2

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る・・・。この素敵な歌は「万葉集」に収められている額田王(ぬかたのおおきみ)が作った歌です。作者の額田王は、飛鳥時代の皇族で、万葉歌人とし…

夫の兄の妻に・・・。

額田王は大海人皇子の妻となり、娘を生んだのも束の間、なんと夫の兄である中大兄皇子にその才色兼備ぶりを見初められてしまいました。しばらくすると中大兄皇子は「自分の娘4人を大海人皇子の妻として差し出す代わりに、額田王を自分に譲ってくれ」と、けっこう無茶な交換条件を弟に提示します。

中大兄皇子は、有力豪族・曽我入鹿を暗殺したばかりか、いとこの有間皇子など、自分の目的の邪魔になりうる人物を徹底的に排除してきた人物ですので、ここで彼の要望を断れば夫の大海人皇子がどんな目に遭うか分かりません。

額田王は泣く泣く大海人皇子と離婚し、中大兄皇子のちの天智天皇に召されたのでした。

3ページ目 額田王と大海人皇子の愛

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