「いだてん」第32話「独裁者」が放送されました。
タイトルからもわかるように、ドイツはヒトラー、イタリアはムッソリーニと独裁政権になり、だんだんと雲行きが怪しくなっています。そんな中日本はオリンピック招致に向けて動きます。1936年ベルリン大会の4年後は日本で、と手を挙げた嘉納治五郎らでしたが、なかなかうまくいきそうにない状況……。
日本は国際連盟からも脱退して国際社会から孤立し始めています。嘉納は無謀にも「イタリア(ムッソリーニ)に譲ってもらおう!」と提案。独裁者だからこそ、トップを口説けばとんとん拍子に行くのでは、という算段(笑)
招致に乗り気でなかった岸清一も
嘉納や東京市長の永田秀次郎らが積極的に動いていたオリンピック招致。一方、大日本体育協会の仲間として長年協力していた岸清一は当初あまり乗り気ではありませんでした。
ですが、ロサンゼルスオリンピックを自分の目で見て、日本人選手たちの活躍と現地の熱狂を肌で感じて考え方が変わったようで、帰国後は招致に積極的になりました。
昭和天皇に御進講をした際にも興奮気味で(そりゃあ雲の上の方に拝謁できたのでそうでしょうが)「次は日本に!」と語っていました。
ところが、岸清一は日本でオリンピックが開催されるのを見ることなく、1933年に亡くなってしまいます。
弁護士、そして晩年は貴族院議員として活躍し、一方では体協、国際オリンピック委員会(IOC)委員として、日本のスポーツ発展のために尽力した方でした。没後は遺言により、お茶の水に「岸記念体育会館」が建てられ、そののちも銅像が建てられるなど、「近代スポーツの父」として親しまれています。